大賞(賞金二十万円(買い上げ賞))
色彩が生まれる
麻に油彩・オイルパステル・色鉛筆
高橋周平 / 岐阜県
作家コメント
大賞ありがとうございます。
私は、少しでも命の犠牲や搾取を減らしたいと考え、筆や動物性原料を使用せずに制作しています。
旅で出会う風景、そこに息づく命、人の営みを描いています。
今回の作品は上高地にある岳沢湿原の水面です。
天気や時間、光や風の加減、私の感情など、すべてが繋がり、この美しい風景が生まれました。
自然はただそこに在り、ヒトが決めたモノなど関係なく、いのちが曖昧にまざり合う。
美しき曖昧の中で確かに生きるいのちの存在を通して、社会への疑問と世界への祝福を描き続けたい。
優秀賞(賞金十万円)
Twins
リトグラフ
¥56,000-
横尾拓郎 / 千葉県
作家コメント
記憶の中の場所は、物理的に存在している実際の場所から旅立ち変化していく。その間の空白を想像で埋めようとする間に、場所は漠然としたイメージ(シンボルの様な形や空気感、匂いや質感)へと還元されていく。不明瞭な像や朦朧とした画面によって、見る者が不確かな記憶や感覚を呼び起こし、また記憶し、再訪する機会を持つことができるようなイメージを制作している。
本作では、版画の内のイメージから広げて外側の額装の仕様まで変化させて制作していき、この記憶を入れる箱として仕上げていきました。
奨励賞(賞金五万円)
ブンレツする黒い何者
キャンバス・ガーゼ・アクリルガッシュ・油性ペン
¥100,000-
カミジョウミカ / 長野県
作家コメント
2024年に入ってすぐ家族総出で具合が悪くなりました。5日ほどでみんな良くなりましたが、その時にそれぞれの身体の中に分裂していく黒い何者かがいるなと思い、この状態をなんとかして作品にしたいと思った次第です。
黒い何者か、自分の身体のなかを脳内妄想でモクモクしながら制作。勢いよく2日間ぐらいで描きました。
梅田版画工房賞
白い海
木製パネルに紙・木・砂・アクリル
¥22,000-
中山愛美 / 東京都
作家コメント
本作「白い海」は、私が制作の主題とする「透明」のうちから、少し遊びのあるイメージを用いて制作したものです。透明なものや物理的に実態のないものに興味があるのでそれに質量を与えてみたり、色をのせてみたり、デジタルモチーフを物理化したり、彫刻や絵画の垣根を取り払いたいという思いがあり、その可塑性や流動性みたいなものを求めています。
昭和蔵賞
光の対話
キャンバス・アクリル絵の具
¥60,000-
吉田峰雄 / 岐阜県
作家コメント
―素材としての光―
光の質感から連想される有機的な色彩を異なる質感として光が照らされることで流動感のある画面で表しました。黒色の絵具で塗られた画面に3種類の素材で円形に磨いた面に映る光の質感と、黒鉛で着色した面に映る光の混和の絵画です。光によって変化する黒という素材を用い、展示したその場所の光をも素材として取り込むことで、光がもたらす造形表現として制作しました。
森と人と賞
てれんぱれんな日々
リトグラフ
¥20,000-
大杉祥子 / 東京都
作家コメント
この作品は長崎県の南島原市アートビレッジ・シラキノで制作しました。
タイトルの「てれんぱれん」とは長崎の方言で、ぶらぶらと何もせずという意味です。
ぐずぐず、だらだらと怠けている様としてネガティブな時に使われがちですが、てれんぱれんしても気にしない日々を過ごしたいという表れです。
Blanc賞
Tree Hugging (Mercy mercy me / No.2)
MDFパネルのレーザーカットにアクリル
¥250,000-
富永周平 / 神奈川県
作家コメント
木に抱きついている人の服に模様のように「Mercy mercy me」というメッセージが描かれている。マーヴィン・ゲイのこの曲は「自然環境保全」のメッセージが含まれていて、歌詞の中に「地球を傷つけてしまっている僕らを”どうかお許しください”」と歌っている。
人は自然と対話しないまま、自己中心的に生きてしまい、大事な自然資源を傷つけて、エゴな利権を争うごとばかりを続けたことで、今の温暖化や環境破壊が問題視されるようになった。
グルーバーレザー賞
2024.1.1 能登半島地震 I
木質パネル・ケント紙・ボールペン
¥150,000-
髙木眞 / 長野県
作家コメント
2024年元旦、能登半島に苛烈な地震が起きました。メディアを通して災害の現実を知るほどに何か表現して残しておこうと思いました。水や大地に棲むという龍は災いがあるといち早く昇竜となり宝珠を携え降龍となって現れて人々を救うというストーリィです。能登半島沖合に舳倉(へぐら)島という有人島があり過去に数回訪れた時に見たものが主なモチーフです。
FLATFILE賞
Mint.5
シルクスクリーン
¥23,000-
三宅葵 / 大阪府
作家コメント
日々自分が撮影した写真をもとにドローイングを描き作品に展開しています。 写真に写った光や影、布の柄や物を形・ピースとして認識する傾向があり、ドローイングを描く際、線や形を簡略化し、それぞれの色面全てに異なる色を与え、パズルのように組み合わせて描いています。 本作品は、飼っている猫をメインモチーフにした小作品シリーズで、28の版と色を使用して制作しました。
佳作
ペガサス
油性ペン・色鉛筆
¥100,000-
大島祐樹 / 長野県
作家コメント
月の輝く満天の星空を背に、ペガサスが羽ばたいています。心の中に浮かぶダイナミックなその勇姿はとても楽しく明るい希望を与えてくれます。
佳作
ムュなまわるもの
ラテックス・木枠など
¥30,000-
マヨイ / 長野県
作家コメント
この度は賞に選んでいただきありがとうございます。
サラサラと受け止めるが頼りない質感。得体の知れない不気味さの裏には、実は心地よさが共存していたんだと気付きを得ました。
いつもせわしない頭の中が産んだものです。
*上記受賞作品は、ギャラリーBlancにて展示されます。
*販売可能な作品は、会期終了後のお渡しで、販売することができます。(全応募作品)
*応募総数112名、161作品から審査いたしました。
*入賞・入選作品画像は、Kac2024カンバッジ・応募要項・ポスター・フライヤー等に使用されます。
*受賞者・入選者(敬称を略させていただきます)
審査員講評(敬称略)
松本直樹:10,September.2024
小山利枝子:11,September.2024
小池つね子:12,September
山貝征典:13,September.2024
梅田明雄:13,September.2024
青山由貴枝:16,September.2024
丸田恭子:16,September.2024
入選作品21作品(酛蔵にて展示 / *他応募作品は全て昭和蔵にて展示いたします)
電話口~枯渇常日 田中七星 / 埼玉県
Talking with FlowerⅢ 山宮律子 / 東京都
stitch map 208 滝川真紀子 / 青森県
Green Ⅲ 増森順子 / 滋賀県
雲から溢れる涙 渡辺恵 / 神奈川県
ささやかな存在 栗田なおみ / 熊本県
陽が落ちる直前 稲葉真莉絵 / 長野県
雨香 新直子 / 神奈川県
suburbia C市 瀧迫学 / 埼玉県
projet 小笠原貴勢子 / 長野県
秋の色 キタダ / 長野県
フユウ ー文月ー 遠藤仁美 / 沖縄県
湧 ゆう 藤澤真実 / 岐阜県
助けに来たよ 小林真鳳 / 群馬県
大輪草 簡維宏 / 京都府
アップサイクル オガワミチ / 東京都
抽象画ザウルス後々のこと やんか / 東京都
美ら海 仲宗根綾 / 沖縄県
ホールクロップサイレージ 古川奈津季 / 東京都
あわい 木原亜季 / 東京都
Starry Night S.Shimosaka / 東京都