萱アートコンペ2019 審査講評
ナカムラジン
2019/09/09
「語るに落ちる」…言葉のほころびにさらに安易な言い訳を塗り重ねて結局ウソがばれてしまう…というほどの意味であろうか。絵画の表現にも通低する部分がありそうだ。余計なことはせずがよかろうが、これがなかなか難しい。黙する度量と描かぬ勇気。フチ(縁・渕)の限界がある平面作品特有の一つの命題かもしれない。大賞作(応募は3連作)において、この静かなパッショッン、いわゆる “間”への取り組み方の完成度が一つ抜きでているのは審査員共通の理解であったようだ。加えて作者には主題に対しての奇妙な落ち着きと独特な愛着が感ぜられるのも観るものを惹きつけたかもしれない。