萱アートコンペ2019 10/5~10/27

Comment by Rieko Koyama

萱アートコンペ2019 審査講評  
小山利枝子 
2019/09/14

 4回目にして応募作品数は倍増し、各作品の完成度も格段に上がった。作品間の差を見極めるためには、より表現の本質的地平についての問いかけを自らにしながら各作品と対峙する審査となった。
 作者の脳内にあるイメージに向け一直線に作画してある作品はどこか平板で奥行きに欠ける。私が探したのは、作者の意識がイメージやコンセプトと現実としての画面の間を行き来しながら、手の感触を通して画面と丁寧に対話している作品だ。その意識と行為を通して作品は作者から自立し始め、観る者の意識や感覚に侵入して来る。絵画表現の持つ静かだが根源的な力だ。

 三須登喜子氏の作品は最小限に限定された図像とマチエールが、触覚的な感覚を伴うイマジネーションを喚起して、応募作品の中でも際立って洗練された魅力を持っていた。また市川絢奈氏の作品の対象や画面を見つめる息遣いを感じる絵画的リアリティーが強く印象残った。

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